株式会社リゾームのシンクタンク“SCトレンド研究所”は、同社製品の全国商業施設(以下SC)・ショップ・ブランド出退店データベース「SC GATE」を活用し、2018年4月~6月期の集計結果による業種別出店・退店ランキングを調査しました。
【ランキング詳細はコチラ】
https://sc-trend.jp/category/quarterly-ranking/
【リゾームWebサイト】
全国SC・百貨店約4,800施設22万ショップの出退店データベース「SC GATE」調べ
2018年4月~6月四半期SC出退店ランキング/9つの大業種、(1)飲食、(2)食品、(3)ファッション(4)ファッション雑貨、(5)生活雑貨、(6)インテリア・寝具・家電、(7)スポーツ・ホビー、(8)サービス、(9)アミューズメントごとにランキングを集計しています。
◆【生活雑貨】出店ランキングTOP10の中に、「均一価格ショップ」が4ブランドも
今回の出店ランキングでは、すっかり生活に定着した「均一価格ショップ」が数多くランクインし、順調な出店意欲の高さが伺われます。
2014年に消費税が8%に増税した際、消費者の節約志向を追い風に各社が出店攻勢をかけ成功しました。現在も、充実した品揃えとコストパフォーマンスの良さをもとに、女性を中心にインバウンドまで幅広い支持を受けています。このまま勢いを保ちつづけるのか、来年の10%への増税時における展開も注目されています。
図表TOP
【他業種トピックス】
◆【飲食】:『「野菜」が「肉」を超えた?ついに出店ランキングの1位が交代』
◆【サービス】:『ショッピングセンターでの店舗数を急増させるブランド登場その影にはあの企業が』など
【SC GATEとは】
全国のSC・百貨店4,800施設、22万ショップ・ブランドの情報や出退店データベースを活用できるWEBサービス「さがす」「くらべる」「見極める」が思いのままになります。
+リーシング戦略・ショップ出退店戦略の勝率を高めます
生活雑貨大業種四半期SC出退店ランキング 【2018年4月~6月期】より
あの大ヒット商品のショップがランクイン
2018年4月~6月期の生活雑貨_大業種のSC出店ランキングを報告します。
この出退店ランキングは、この期間中にショッピングセンターに出店、もしくはショッピングセンターから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。ランキング方法や詳細については本文最後を確認してください。
■出店傾向が続く均一価格ショップ/2四半期続いて書店が退店ランキング入り
2018年4月~6月期の生活雑貨大業種のSC出店ランキングは図表1のとおりとなりました。
出店ランキングでは、ライフスタイル雑貨_小業種の“HAPiNS”(差引出店数29店)で1位にランクインしています。この“HAPiNS”は、前四半期のレポートでも紹介しているとおり、運営企業の株式会社パスポートによる“PASSPORT”ブランドの“HAPiNS”ブランドへの名称変更によるもので、退店ランキングの1位に“PASSPORT”ブランドが差引退店数22店でランクインしています。
ランキング2位は差引出店数8店で、バラエティ雑貨_小業種の“Seria”がランクインしました。また、同じ小業種では3位に“DAISO”(差引出店数6店)もランクインしているほか、“illusie300”と“Can Do”(いずれも8位、差引出店数4店)といった、いわゆる均一価格ショップブランドが、ランクインしています。
また、常連ともいえる業種では、“JINS”、“meganeSUPER”といったコンタクト・めがね・補聴器_小業種のブランドが、両ブランドを含め4ブランド、“ココカラファイン”、“マツモトキヨシ”といったドラッグストア_小業種も、両ブランドを含め4ブランドがランクインしています。
今回のランキングでは、6位にランクインした“gloストア”(差引出店数5店)が特徴的です。このブランドは、いわゆる加熱式たばこを扱うブランドで、SC GATEではたばこ・喫煙具_小業種に分類されています。加熱式たばこは、紙巻たばこに比べて副流煙が少ない、独特なニオイも気になりにくいといった特徴から、発売直後から品薄になったり、発売に先行した予約が受付停止になるほどのヒット商品となったものです。ただ、この加熱式たばこは、FDA(アメリカ食品医薬品局。医薬品や食品の販売許可や違反頻の取締りなどを行うアメリカの国の機関)の諮問委員会は「加熱式たばこが紙巻たばこよりも害が少ないというエビデンスは不十分だ」と18年1月に結論付け、本稿執筆時点でもアメリカでは加熱式たばこの販売は許可されていないことは、頭の片隅に置いておく必要がありそうです。
図表1生活雑貨_大業種の出店ランキング(差引出店数上位20ブランド)
退店ランキング(図表2)に視点を移すと、出店ランキングで名称変更として取り上げたライフスタイル雑貨_小業種の“PASSPORT”が、差引退店数22店で1位にランクインしています。
2位にはバラエティ雑貨_小業種の“Plus Heart”が差引退店数7店でランクインしましたが、このブランドと同じ運営企業が運営するライフスタイル雑貨_小業種の“NiGLS”も、9位にランクインしていることに注意しておく必要があります。
3位には、前四半期の記事でも退店ランキングへのランクインとして触れた、書籍_小業種のブランドが2ブランドランクインしています。
図表2生活雑貨_大業種の退店ランキング(差引退店数上位20ブランド)
※同稿はSC GATEの2018年7月末時点データを用いて作成しています
【出退店ランキングとは】
ある四半期間中にSCに出店もしくはSCから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数を算出し、その上位から20ブランドを表示したものです。また、当四半期の直前の四半期についても、この差引出店数を算出し、前四半期からの推移を以下の4つの記号を使って表現しています。
出退店ランキングとは
なお、当四半期の差引出店数が同数の場合、前四半期に出店・退店がなくこの四半期にランクインしたブランド、また、前四半期よりも当四半期の差引出店数の増加が大きなブランドを優先して、上位20ブランドとしています。
集計対象SC
◇2018年6月末日までにSC GATEに登録されている
◇SC面積が1,500m2以上である
◇2016年7月~2018年6月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
◇SCタイプが「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」
「アウトレット」「空港」に分類されている
※1:「SC GATE」は、約4,700商業施設における出退店情報を搭載している業界最大級のデータベースです。搭載されているショップ数は約21万件にのぼり、ファッション・サービス・飲食などをはじめとした大業種は12業種、小業種は325業種に分類。商業施設は施設タイプ、開業年度、商圏人口、駐車場台数などで検索可能となっており、SCやショップブランドを探すことや比べることのできる業界唯一のデータベースです。