女性の夕食半数以上は「主食抜き」!食事とストレスの関係を徹底調査

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一般社団法人ストレスオフ・アライアンスは、全国の男女14万に行っている大規模調査「ココロの体力測定」を基に「日本人とストレス性疲労」の研究を進め、『ストレスオフ白書』にまとめています。

2018年11月6日に公開した『ストレスオフ白書2018-2019』VOL.2では日本人の「食習慣」を取り上げましたが、その中の1項目「ストレス性疲労者のごはん(米)食頻度」で、「3食ともごはんを食べない」と答えたストレス性疲労者が、「3食ともごはん食」のストレス性疲労者を上回る傾向にありました。
そこで今回は、「3食ともごはんを食べない」と回答した男性7,897人、女性6,022人のその他の食習慣や生活習慣に注目しました。

●ストレスオフ白書2018-2019VOL.2
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000038683.html

【参考】ストレス性疲労者のごはん食頻度(平日休日/男女別)
同法人では、ストレス量が個々人のキャパシティを超えて起こる心身の疲労状態を「ストレス性疲労」と定義。本白書では「慢性疲労」と「自律神経乱れ」がストレス性疲労を引き起こすと推定し、「症状なし」から「症状あり。病院に通院」まで5段階の回答項目が、両方一致した人数を算出しています。
EX.男性で「慢性疲労」「自律神経乱れ」共に「症状なし」39,944人(人数の詳細は[調査概要]参照)

▼平日休日・男女別ストレス性疲労者のごはん食頻度

調査結果

【1】全体・3食ともごはん食でない食習慣(平日/男女別)
「3食ともごはんを食べない」男女は、全体と比較し「主食抜き」の食事スタイル傾向になりました。
特に女性の「夕食」では52.5%が「主食抜き(おかずのみ)」と半数を超えています。
ごはんの代替になっているのは、昼・夜は「パン」でした。女性は3食とも「サラダ(野菜中心)」という結果となりました。
▼朝食・男女別 左:全体 右:3食ともごはん食でない

▼昼食・男女別 左:全体 右:3食ともごはん食でない

▼夕食・男女別 左:全体 右:3食ともごはん食でない

【2】3食ごはん食・ごはん食でない睡眠時間比較(平日休日/男女)
「3食ごはん食」は男女共、理想的とされる基準に近い「6~7時間」睡眠が多い結果となりました。「7~8時間」も含めると、平日より休日の睡眠時間がやや長い傾向にあるようです。
「3食ともごはん食でない」は男女共、平日も休日も「5時間未満」睡眠が目立つ。とくに男性は4割以上と半数に届く勢いでした。
▼平日休日・男女別睡眠時間

【3】3食ごはん食・ごはん食でない運動頻度(週4日以上)比較(男女)
「週4日以上5㎞程度歩く」運動行動を見ると、女性は大きな差がないが、男性は「3食ごはん食」は18.8%と、「3食ともごはん食でない」の9.3%の倍近くという結果になりました。
▼男女別週4日以上5㎞程度歩く

【4】3食ごはん食・ごはん食でない体の症状(通院・お金をかけて対処)比較(男女)
「3食ともごはん食でない」は、「低血圧」傾向。男性が4.19倍、女性が2.78倍「3食ごはん食」を上回りました。
「3食ともごはん食でない」男性の特徴は「慢性的な腹痛」や、「貧血」「冷え性」など血流関連の悩みとなります。近年話題に上る「更年期障害」も高い傾向です。
女性は、「自律神経の乱れ」「うつ状態」「慢性的な疲労」「よく眠れない」などストレスによる体の悩みと症状が酷似しているようです。
▼男女別体の症状

※表枠外の倍率は、3食ともごはん食÷ごはん食でない(ブルー)、ごはん食でない÷3食ともごはん食(オレンジ)
※表枠外の倍率は、3食ともごはん食÷ごはん食でない(ブルー)、ごはん食でない÷3食ともごはん食(オレンジ)

【5】都道府県別 3食ごはん食・ごはん食でない(男女別)
男女共「3食ごはん食」は、米どころ県が高い傾向にある。
男女共「3食ともごはん食でない」が高い県は、神奈川県、山梨県、高知県、沖縄県。
▼男女・都道府県別 3食ごはん食

▼男女・都道府県別 3食ともごはん食でない

一般社団法人ストレスオフ・アライアンス柏原ゆきよ氏(管理栄養士)コメント

近年、炭水化物(糖質)に対するネガティブなイメージの浸透によって、ごはんを食べない習慣の方が増えており、今回の調査でもその傾向は顕著です。
ところが、「3食ごはん食」の人はストレス性疲労が少なく、活動的で体調が安定していることが分かります。一般のイメージとは逆に、ごはんにはエネルギー代謝を改善し、臓器や脳の機能を向上させるなど、多岐にわたる機能性があります。自律神経に影響し脳機能を高めることや、睡眠の質を向上させることなど、今回の調査を裏付ける研究も多く発表されています。
現代人が抱える健康問題を改善するために、ごはん主体の日本型食生活が有効であることは、注目すべき点だと思います。

■柏原ゆきよ管理栄養士
一般社団法人ストレスオフ・アライアンスアドバイザー
一般社団法人日本健康食育協会代表理事

20年以上にわたり、「健康」と「食」をテーマに様々な業界にて研鑽を積み、2007年に独立後、株式会社2社、一般社団法人4団体の創業に携わり、複数社の顧問やアドバイザーを歴任しました。2008年より、定食チェーン大戸屋にて、食育プロジェクトを国内外にてスタートしています。社員の意識改革から商品展開、CSR活動を連動させた健康ブランディングにて、健康提案企業としてのイメージ構築し、顧客層の変化をもたらし、業績向上に貢献しました。現在は、講演活動、健康経営を推進する企業のアドバイザーの他、健康ビジネスを成功に導く人材の育成にも力を注いでいます。近著に『疲れない体をつくる疲れない食事』(PHP研究所)2018年12月28日発売です。

調査概要

調査名 :ココロの体力測定2018
方 法 :インターネット調査
調査期間:2018年3月7日~17日
サンプル数:14万人(男女各7万人)
※都道府県ランキングに必要な数、各県1000サンプル以上を確保し、その後人口比率(都道府県、年代、有職割合)でウエイト修正
設問数 :15問
調査機関:株式会社メディプラス研究所

■レポート活用対象:
・ストレス性疲労
男性:症状なし39944人 症状あり30067人(対処していない19125人 生活習慣の工夫のみ6436人 通院以外でお金をかけて対処2668人 病院に通院1817人)
女性:症状なし33527人 症状あり36462人(対処していない23305人 生活習慣の工夫のみ8291人 通院以外でお金をかけて対処2675人 病院に通院2191人)
・ごはん食
男性:3食ともごはん食19475人、3食ともごはん食ではない7897人
女性:3食ともごはん食16401人、3食ともごはん食ではない6022人

社会課題「ストレス性疲労」の改善を目指す

ストレスオフ・アライアンスは2017年に準備委員会を立ち上げ、社会のあらゆるストレス問題に対して議論を重ねてきましたが、本格的にこの社会課題に対峙するため、2018年10月22日に一般社団法人ストレスオフ・アライアンスを設立しました。
同法人では、日本の成人の47.6%がストレス性疲労を抱えていると推計※1しています。さらに重度であると思われる人は、適切な量、時間を働けておらず、社会生産力※2は著しく低下している傾向です。
産官学の有識者によるさまざまな視点からストレス性疲労を研究し、参画企業と協力しながら、社会の生産力の回復・成長に貢献することを目指していくとしています。

※1株式会社メディプラス研究所「ココロの体力測定2018」より14万人(男女各7万人)へのインターネット調査から抽出しています
※2当法人では、「社会生産力」を「仕事・家事などを含む労働力」と定義しています

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