株式会社フェアワーク・ソリューションズは、国際的な生産性指標であるプレゼンティーズム尺度WHO-HPQを用いたウェルネス&エンゲージメント支援ツール【FairWorkサーベイ】の一環として【FairWork pulse】の提供を開始します。社員の心身の健康状態が業務パフォーマンスに及ぼす影響を毎月数値化し、併せて創造性や生産性とも関連深いとされる社員幸福度をモニターすることで、社内制度の改善やより良い人事戦略に活用でき、生産性向上に寄与することを目指しているとしています。
FairWork pulse 公式ホームページ
「FairWork pulse」詳細: https://fairwork.co.jp/survey/pulse/
株式会社フェアワーク・ソリューションズとは
東京大学大学院(公共健康医学専攻)および千葉大学医学部出身の2人の医師が起業。創業理念に「フェアでヘルシーな社会の実現」を掲げ、誰もが心身ともにいきいきと働く職場づくりを推進しているとしています。健康経営(*1)銘柄選定企業での精神科産業医歴のほか、現在も東証1部上場企業3社や海外ブランド企業の日本支社、上場準備中の企業などにてコンサルティングを受託しているとのことです。また関連医療法人では都内2ヶ所にてメンタルクリニックを運営。
サービス開発の背景
働く人々の心身の健康状態は、チームや企業単位での業務パフォーマンスにも大きく影響することが知られています。アブセンティーズム(Absenteeism)と呼ばれる、疾病により休業を生じる事態は客観的に把握しやすい一方で、プレゼンティーズム(Presenteeism)と呼ばれる、心身不調のまま働く労働者のパフォーマンス低下による労働損失は客観的に測定することは困難で、しかし総量としての損失は格段に大きいことが知られています。
ハーバード大学医学部のケスラー教授と世界保健機関WHOが開発し、産業精神保健研究機構RIOMHの宮木幸一博士が翻訳・妥当性検証したWHO-HPQ日本語版は、経済産業省と東京証券取引所が選定する健康経営銘柄ならびに健康経営優良法人(ホワイト500)の調査項目における検証指標例の筆頭に挙げられ、また厚生労働省が作成した「コラボヘルスガイドライン」でも詳しく紹介されるなど、近年その有用性が注目されています。WHO-HPQを用いて日本全体のプレゼンティーズムによる経済損失を算出したところ、年額で19.3兆円(*2)、労働者一人当たりの年間平均損失額は数十万円にのぼることが判明しています。これを改善するには、個々の社員だけでなく組織全体として心身の健康状態と業務パフォーマンスの関係性を可視化し、意識づけることが必要と考えられます。
また近年、幸福度の高い従業員は創造性や生産性が高い、とのエビデンスが蓄積されてきている(*3)ことから、企業がいかに社員の幸福度向上支援に取り組むか、が経営課題となってきています。
このような状況のなか、当社では、WHO-HPQを用いたウェルネス&エンゲージメント支援ツール【FairWorkサーベイ(*4)】の一環として、働き方・体調・業務パフォーマンス・幸福度の質問から構成される月次パルス調査【FairWork pulse】を開発したとのことです。
<ハーバード大学医学部 WHO-HPQ公式サイト>
https://www.hcp.med.harvard.edu/hpq/info.php
サービス理念と内容・今後のロードマップ
時代は、従業員満足度からエンゲージメント、そして健康関連パフォーマンスと社員幸福度の可視化を通じた生産性向上へ。株式会社フェアワーク・ソリューションズは、【FairWork pulse】と【FairWork sensus】からなる【FairWorkサーベイ】を開発し、働く全ての人々の健康と幸福を通じた支援をしていきたいとしています。
【FairWork pulse】では、1-2分で答えられる計6問の社員アンケートを毎月繰り返すことで、職場の状況やメンタル不調のアラートを継続的に把握。アラート通知を半自動化して人事担当者へ適切にエスカレーションするだけでなく、当社の臨床心理士などメンタルヘルスの専門家が、自由記載項目の仕分けや希望者へのチャットカウンセリングを提供します。また「仕事を通じた幸福度」では、国連や内閣府の幸福度調査同様に0-10の数値に可視化することで、社内制度の改善やより良い人事戦略にご活用いただき、幸福度の高い社員を増やして企業の生産性向上に寄与します。
今後は、健康関連アンケートやエンゲージメントの総合調査として年に1-2回実施する【FairWork sensus(開発中)】とデータを統合し、全ての方がいきいきと能力を発揮し活躍できる組織作りを支援するとともに、他のHRtechシステム等とのAPI連携を推進し、ヘルスケアの知見に基づいた経営支援の専門家集団として、自社の強みを活かしていきたいとしています。
*1 「健康経営」はNPO法人健康経営研究会の登録商標です。
*2 「Presenteeism-医学と経営学の融合にむけたPilotStudy」(2017)仕事能力研究第5号、pp.25-42
*3 独立行政法人経済産業研究所 https://www.rieti.go.jp/jp/special/from-iza/005.html
*4 今後提供される【FairWork sensus】では、妥当性検証済の日本語版公式訳がそのまま用いられており、それを基準値とした統計処理により【FairWork pulse】で学術的にも信頼性の高い評価ができるため、公式版を用いた各種公表データによる国際比較や業種間比較が可能となります。