主婦に特化した人材サービス『しゅふJOB』の調査機関しゅふJOB総研は『子連れ出勤』をテーマに働く主婦層にアンケート調査を行いましたので以下に報告します。(有効回答数1000件)
調査結果概要
1.子連れ出勤をしたことが「ある」15.4%、「ない」84.6%
2.子連れ出勤する人の同僚として、一緒に働いたことが「ある」16.7%
3.子連れ出勤のメリット「保活に失敗しても働くことができそう」48.5%
4.子連れ出勤のデメリット「職場に迷惑をかけそう」81.1%
5.子連れ出勤するのも、同僚として一緒に働くのも「賛成」36.5%
6.フリーコメントより
1.子連れ出勤をしたことが「ある」15.4%、「ない」84.6%
2.子連れ出勤する人の同僚として、一緒に働いたことが「ある」16.7%
3.子連れ出勤のメリット「保活に失敗しても働くことができそう」48.5%
4.子連れ出勤のデメリット「職場に迷惑をかけそう」81.1%
5.子連れ出勤するのも、同僚として一緒に働くのも「賛成」36.5%
6.フリーコメントより
◇フリーコメントより(年代:子どもいる・いない)
<スタンスとして「子連れ出勤するのも、同僚として一緒に働くのも賛成」と回答した人>
・一応、過去に単発でだが子連れ出勤(当時小学校低学年と幼稚園児)を検討したことがあるので、やむを得ずというケースがあることは理解できる。ただ、もろ手を挙げて賛成というわけではないし、恒常的に子連れ出勤というのも賛成しない(40代:いる)
・子連れ出勤が良いとは思わないが、復職する意欲はあるのに保育園に落ちて仕事が出来ず収入に影響するなどやむを得ないのであれば賛成せざるを得ない。一緒に働く側として反対する権利は無いと思うから(40代:いる)
・私も子供がいるので、成長見守りつつ幼稚園入園するまで一緒にいたいから(30代:いる)
・職種によって、集中や精密、セキュリティなどが必要なものがあるので、職場では保育士に預けられる環境が望ましいと思う(40代:いる)
・保育所に入所できなくて仕事に復帰できないのは、残念な事だから(50代:いる)
・子連れ出勤だけに関わらず、これからは働き方の多様性を受け入れないと企業は人を集められないと思います(50代:いる)
・子供は社会全体で育てていくものだと思っているから(50代:いない)
・子連れの人でも同僚としてでも、1つの仕事を成し遂げる目的は同じわけだし、子連れの人なら子供を手元に置いといて安心な部分もあるだろうし。子供も少しずつその職場での空気を読めるようになるだろうし、学ぶ事もできるから(40代:いる)
・メリットもデメリットもあると思うけれど、選択肢は多い方がいいから(40代:いる)
・前に子連れで働いてた人がいたので!あたしはなんとも思わなかったです!(20代:いる)
<スタンスとして「子連れ出勤するのは賛成、同僚として一緒に働くのは反対」と回答した人>
・本人の立場なら賛成だが、逆の立場を考えると、家ではなく、職場のため、周りに迷惑をかける可能性が高いと思う(40代:いない)
・実際、自分がその状況になったときに子連れ出勤可能なら有り難い。自分は出勤したいし休まなくても良くなるから。でも、逆に同僚がそれをした時に良い気持ちで一緒に仕事出来るかと聞かれたらそうじゃない(20代:いる)
・子連れで出勤するのは勝手だが、職場内に子供がいたり保育スペースがあるのは迷惑だ(40代:いない)
・子連れ出勤しなければならない状況なら仕方ないと思います。少しなら面倒も見てあげても良いけど、仕事に集中したい時は無理だと思います(40代:いる)
・自分の立場にたった場合、子供をおいてこなくてすむが、子供が嫌いな方もいらしゃるし、また、どうしても子供にきをとられ子供にたいしても、しごとにたいしても中途半端になる可能性もある。親ばなれ、子離れの機会をうしなうことも可能性としてある(50代:いる)
・仕事の内容にもよると思いますが‥基本、子供が保育園に入れないとか、祖父母に見てもらえないのであれば、子供を職場に連れて行くのは仕方ない事だと思います。自分も経験がありますから。しかし子供がいることで、他の人に迷惑を掛けてるのであれば反対です(50代:いる)
・保育園に預ける手間が省けるのは賛成だが、仕事中にこどもが近くにいるのは集中できそうにない(40代:いない)
・自分がどうしても子連れでないと働かない場合は、仕方ないが、やっぱり自分も周りにも気を使うし、集中できないので、できることなら子連れ出勤はしたくない。自分を棚に上げて申し訳ないけど、同僚の子がウロウロしてたら集中出来ないので迷惑(30代:いる)
・子供の騒ぐ声で、仕事に集中出来ない。走り回り、ケガでもされたら困る。自分の子供は、かわいいけど‥他人の子供は嫌い(40代:いない)
・ずっとワンオペで子育てして、やっと一段落して働きに出てるのに、職場で子供の泣き声の中、働きたくないので、同僚として一緒に働くのは反対。ただ子育てが大変なのは理解出来るので、子連れ出勤するのは賛成(40代:いる)
<スタンスとして「子連れ出勤するのは反対、同僚として一緒に働くのは賛成」と回答した人>
・子どもがいたら、気が散るし、他の人に気を使って仕事に集中できない 同僚のこどもなら和やかにできます(30代:いる)
・子供を通勤電車に乗せたり、外遊びが出来ない環境に置くのは抵抗がある。さらには子供が居ることで仕事に集中出来ないし、回りに気を遣うので疲れてしまいそう。私自身は嫌だが、同僚が納得の上連れて来るのであれば、否定はしない(40代:いる)
・我が子は連れて行きたくないし、制度があることで育休の短縮など強要されないか心配。同僚の選択としては大いに歓迎します(30代:いる)
・同僚の子は可愛がれるけど、自分の子だと周囲に申し訳なさすぎて辛そう(30代:いる)
・自分の子どもばっかりになり仕事に集中できない。でもどう思うかは各家庭で考え方が違うと思うので、それを受け入れる側としてはいいと思う(30代:いる)
・自分は集中できなくて生産性が落ちそうだが、人によっては両立できる人もいるかもしれない。他の人がするのに反対する理由は特にないから(40代:いる)
・とにかく通勤が大変です。また仕事への切り替え時間が短いため集中するまで時間が必要になります。頑張れる人がいたら応援しますが(40代:いる)
・自分の子は落ち着いてられないから連れていくのは怖いけど、騒いだり泣き叫んだりしなければ連れてきてもいいと思う(20代:いる)
・基本的には職場の集中を欠くと思うので、連れて来るべきではないと思うが、子育てには様々な事情が生じるので、仕方ない部分もある。どうする事もできずに連れてきたのであれば、周りは暖かい目で見守ってあげるべきだと思う(50代:いる)
・実際子供連れで働き、とても大変だった。でも同僚で子連れの方がいても全く気にならないし、応援したい(30代:いる)
<スタンスとして「子連れ出勤するのも、同僚として一緒に働くのも反対」と回答した人>
・仕事に集中できないから。子連れ出勤を議論するのではなく、子育てしながらキャリアを継続させる方法は在宅勤務を取り入れる等々あると思うし、子育て後に職場戻れる環境を議論するべきだと思う(50代:いる)
・職場は「子育て」の場ではありません。給料をもらうための場所です。近年の親は公私混同甚だしいです(40代:いる)
・やはり絶対に迷惑を掛けることになると思う。変に気を遣ったり遣われたりのもお互いしんどいと思う。万が一、職場で子供がケガなどをした場合は誰がどう責任を取るのか?とにかく迷惑!同伴はペット(小型犬、猫)くらいにして欲しい(40代:いない)
・子連れ出勤をしていた人が以前職場にいましたが、とても懐っこい元気な子で周りも仕事にならない事がしばしば。ある男性が最初は可愛がってたけど、忙しい時にもまとわりついて構って欲しいと絡んでくるその子に怒り、その子の親とも気まずい関係になってしまいました(40代:いない)
・職場は仕事をするところだから。|私の理想は職場内保育施設です。あくまでも仕事をしている場とは別室が良い(50代:いる)
・母親の負担ばかり増える。仕事中まで子育てしなきゃいけなくなる。それを美化する風潮にならないか心配(40代:いる)
・そもそも子供が嫌い。|イライラして仕事が出来ない(50代:いない)
・仕事の合間に子にかかわる、子どもの面倒を見ながら仕事も・・・と中途半端であり、無責任で無神経。子育てが一段落するまで子供に専念しておくべし!!自分の子は親がしっかり育てる。子育てという立派な仕事であることを認識していない世の中は間違っている(50代:いる)
・仕事や通勤の時間くらいは子育てから解放されて、仕事や自分のことに集中したい。子供と離れた時間をあえて持つことで、子供との時間を大切しようと思えるし、子供を素直に愛せる(30代:いる)
・子供が欲しくてもできなかった方、不妊治療中の方もいらっしゃるかもしれない。そういう方の心情に配慮はないのか?(50代:いない)
しゅふJOB総研 所長 川上敬太郎より
育休中の同僚がお子さん連れで顔を出すと、職場に和やかな雰囲気が漂います。しかし中には子どもが苦手な人がいるかもしれない、と顔を出す方は気を使ったりします。ましてや子連れでの出勤となると、考え方は分かれそうです。働く主婦層に「あなたは「子連れ出勤」をしたことはありますか」と尋ね、お子さんがいる人だけを抽出して集計したところ、あると答えた人は15.4%でした。殆どの人はお子さんを連れて出勤した経験を持っていません。一方逆の立場で、子連れ出勤する人の同僚として一緒に働いたことがあるかについて尋ねると、あると答えた人は16.7%。子連れ出勤は、まだまだレアなケースだと言えます。
子連れ出勤のメリットとして上位に挙がったものとしては、「保活に失敗しても働くことができそう」「保育施設に預けに行く手間が省けそう」「子どもが近くにいて安心して仕事できそう」の3つで、どれも40%台です。一方デメリットとして上位に挙がったのは「職場に迷惑をかけそう」「仕事に集中できなさそう」が約8割、「通勤が大変そう」が6割、「子どもにつらい思いをさせそう」も4割を超えています。メリットよりもデメリットの方が相対的に比率が高く、子連れ出勤はメリットよりもデメリットの方が想像しやすいのかもしれません。
子連れ出勤の賛否を見ると、子連れ出勤する立場から見て賛成の人は43.8%、一方同僚として子連れ出勤者と一緒に働く立場から見て賛成の人は55.1%。どちらの立場もおおよそ半々ではありますが、同僚として受け入れる立場の方がやや寛容なようです。フリーコメントにも、多数の意見が寄せられましたが、「保育園が見つからなかったのであれば仕方ない」「子どもは社会全体で育てていくもの」という声もあれば「子どもが嫌い」という声もあり、見方は様々です。子連れ出勤に賛成していても、必ずしも諸手を挙げての賛成ではない人もいれば、反対であっても意地悪ということではなく、仕事場のあるべき姿や子どもへの負担などを考慮した意見の人もいます。また常時子どもを連れて出勤するのか、致し方ない時だけなのか、でも意見は分かれています。女性が子育ての負担を背負うことを前提としているのでは、と疑問を投げかける声もありました。子連れ出勤の是非は単に人としての寛容さの問題という話でくくれるものではなく、子連れ出勤せざるを得ない環境や子育てのあり方、職場への影響など広いテーマに関わる問題だと認識した上で、個人・企業・社会それぞれの立場を踏まえて適切に対処していく必要があると考えます。
しゅふJOB総研所長 兼 ヒトラボ編集長 川上敬太郎 ープロフィールー
1997年愛知大学文学部卒業。テンプスタッフ株式会社(現パーソルホールディングス)に入社し新規事業責任者等を歴任。転職後、執行役員としてキャリアカウンセリングやマーケティング部門を統括するなど、営業・経営企画・人事といった人材サービス事業のほぼ全てのセクションに携わる。業界専門誌『月刊人材ビジネス』では営業推進部部長 兼 編集委員を務め、人材ビジネス企業の経営者に向けた勉強会を企画運営。2010年株式会社ビースタイル入社。2011年より現職。これまでに、のべ20000件以上の“働く主婦層”の声を調査・分析。
人材サービス業界の『声なき声』を社会に届けるインタラクティブメディア『ヒトラボ https://www.facebook.com/hitolabo.jinzai/』及びフェイスブックグループ『人材サービスの公益的発展を考える会 https://www.facebook.com/groups/jinzai.koueki/』主宰。有識者として内閣府 規制改革会議 雇用ワーキンググループ勉強会への参加、男女共同参画センターでの講演など、主婦人材の活躍推進や人材サービス業界のあり方について積極的な意見提言を行う。
◇委員等
厚生労働省 委託事業検討会
・平成29~30年度:民間人材サービス活用検討事業「民間人材サービス事業者のノウハウを活用した女性の復職促進検討会」委員
・平成29~31年度:労働者等のキャリア形成・生産性向上に資する教育訓練開発プロジェクト事業「プログラム検討委員会」委員
一般社団法人 日本人材派遣協会
・派遣事業運営支援委員会委員(平成20~21年)、派遣事業運営支援部会員(平成24年)
◇メディア出演歴
NHK あさイチ 解説/フジテレビ みんなのニュース『ふかぼり』 解説/テレビ朝日 ビートたけしのTVタックルパネラー出演、他新聞・テレビ・雑誌などでコメント多数
◇寄稿・連載歴
日本経済新聞:私見卓見『日雇い派遣は主婦を助ける』(寄稿)/時事通信『働くデキる女性たち』(連載))/マネープラス:『ワークスタイルの見つけ方』https://moneyforward.com/media/special/shuhunohonne/(連載)など
▼ヒトラボ資料館 『是々非々』 http://zezehihi.wix.com/jinzai
調査概要
調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数:1000名
調査実施日:2019年3月13日(水)~2019年3月15日(金)まで
調査対象者:ビースタイル登録者/求人媒体『しゅふJOBパート』登録者